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採光シミュレーション

2022年12月10日
採光シミュレーション_LDK 三角狭小敷地の家

「三角狭小敷地の家」の設計 ⑫


 住宅を設計する際に、お施主様と一緒に様々な検討をします。「三角狭小敷地の家」を題材に、実際にどのような提案をさせて頂いているかをご紹介するシリーズの第12回です。


 住宅の居室は一定以上の採光をすることが建築基準法で定められていますが、生活をして快適であるためには法令規定以上の採光が一般に望ましいです。また、法令ではその部屋にある窓の合計面積しか評価されませんが、実際には個々の窓の配置も重要で、隣の部屋から光が入ることもあります。良い採光であるかは平面図や立面図だけで判断するのは難しく、BIM(3次元CAD)で敷地の経度・緯度を入力した3次元モデルに想定される太陽光を入れて検証するのが有効で確実な方法だと思います。


 冒頭写真の右側に並んでいる画像は、「三角狭小敷地の家」の2階LDKに三角形の中庭を通して太陽の光が入るか設計段階で検証した夏至の日の10時から12時にかけての様子です。奥のキッチンは少し暗いですが、ダイニングテーブル廻りには光が差し込んで、12時には隣の階段室上部のトップライトから光が入ることが確認できました。


 道路をはさんで向かい側の集合住宅からの視線をさえぎるために三角形の中庭の外側にも壁を設置していますが、この検証の結果、中庭の上部や外側の壁中央の開口から太陽高度の高い夏でも中庭とダイニングには陽が差して明るいことがわかりました。また、階段上のトップライトはコストダウンで削除が検討されていましたが、ダイニングにも有効に光が入ることがわかったため残すことになりました。


 周囲の建物による反射や天候などの影響もありますので、採光の状況を正確に再現することは難しいですが、BIMを使用しておおよその採光をシミュレーションすることは可能です。


→ 三角狭小敷地の家