アーチ開口
2025年10月17日

左の写真は当事務所で設計監理させて頂きました「香取の家」大草原の小さな家の竣工写真ですが、クラシカルなご趣味のお施主様でしたので「半円アーチ」のドアや開口を提案させて頂きました。起源となる西洋建築では、石造りの重い建物に構造上合理的な開口を設けるために、中世ロマネスクの「半円アーチ」やゴシックの「尖塔(せんとう)アーチ」が考案されました。構造的にはロープを垂らした懸垂(けんすい)曲線を上下ひっくり返した「カテナリーアーチ」が最も合理的で、スペインのガウディ建築でも採用されています。
現代の柱と梁の構造ではアーチの構造検討は不要で、単純に形の好き嫌いで選べば良いのですが、インテリアの開口としては半円・円弧・楕円アーチが一般に好まれるようです。冒頭の事例では、小屋裏の斜め天井の下に無理のない形でなるべく高い開口となるように「半円アーチ」としました。アーチ開口は見た目もかわいらしく、存在が際立ってアクセントにもなるので、モダンなインテリアで採用してもよろしいかと思います。