太陽光発電パネルの無い ZEH

ZEH(ゼッチ)とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略語で、高断熱の住宅においてエネルギー効率の良い照明・冷暖房設備を導入した上で、使用したエネルギー以上の電力を主に太陽光発電パネルで作り出す「エネルギーの消費・生産差し引きゼロの住宅」です。
イメージとしては、冒頭添付図のような「大きな太陽光発電パネルが乗った切妻(きりつま)屋根の家」だと思いますが、国の補助金 55万円/戸 (2025年)の支給対象となる住宅で、太陽光発電パネルの設置が不要な「ZEH oriented(ゼッチ・オリエンテッド)」が存在することはご存知でしょうか?
都市部の狭小地に建設する住宅は、一般に密集地で屋根が小さく十分な太陽光発電が見込めないので、下記の条件を満たせば、太陽光発電パネル無しで「ZEH oriented」としての補助金申請が可能です。
①建設地が北側斜線制限の対象となる用途地域
②敷地面積が85㎡未満
③2階建て以上
④外皮基準が「ZEH強化外皮基準」
⑤基準一次エネルギー消費量から20%以上の
一次エネルギー消費量削減
(再生可能エネルギーを除く)
⑥登録ZEHビルダー又はプランナーが関与
これまでは、④を満たす断熱材、⑤を満たす冷暖房機器の仕様を大幅に上げなければいけなかったので、補助金を大きく超える追加工事費が必要でしたが、法律の改正で、令和7年4月以降に着工するすべての住宅に従来より高い省エネ性能(住宅表示制度の断熱等性能等級4及び一次エネルギー消費量等級4以上)が求められるようになりましたので、ZEH補助金の支給を受けた上で、少し工事費を増額すれば「ZEH oriented」で求められている④⑤の条件も満たすことが難しくない状況になりました。より高断熱化・省エネ化することでの光熱費の削減を考慮すれば、高い初期投資ではないかもしれません。
⑥については、当事務所はZEHプランナー登録をしておりますので、補助金申請が可能です。都市部の狭小地で、環境や省エネに関心をお持ちでもハウスメーカーの分譲住宅にあるような「大きな太陽光発電パネルが乗った切妻屋根の家」ではない注文住宅をご希望の場合は、是非お声掛けください!