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「小屋裏」のある家

2025年12月24日
小屋裏3階住宅

 都市の狭小敷地で前面道路からの「道路斜線制限」と北側からの「北側斜線制限」のために2階建て以上の建物ボリュームがとれない場合は、2階屋根の「小屋裏」を3階として3階建てとすることが出来る場合があります。「小屋裏」は建築の専門用語で、一般的な表現の「屋根裏」とほぼ同じ意味です。


 海外の住宅は急勾配の屋根が多いので映画やドラマでも屋根裏部屋が多く見られますが、日本で小屋裏の部屋を寝室として使用する場合は規定の採光・換気・排煙が法規で求められますので、屋根窓(ドーマー)や天窓(トップライト)が必要です。また、小屋裏は狭い空間となりがちなので、階段室などの吹抜をうまく視覚的につなげて広く感じられる工夫もあると良いと思います。


 当事務所で設計監理させて頂いた「南青山の家」は西側の接道長さが短い台形の敷地で、北側は北側斜線、西側は道路斜線と台形斜辺からの北側斜線の両方がかかるために建物のボリュームが確保しにくい状況でしたが、小屋裏3階とすることにより3階建ての住宅が実現できました。


「南青山の家」


 当事務所で設計監理させて頂いた小屋裏の他の事例としては「香取の家」が小屋裏2階となります。この場合に小屋裏としたのは法規対応でなく、お施主様がイメージされた急勾配屋根の海外住宅外観に近づけるためでしたが、結果として魅力的な2階の小屋裏空間になったと思います。


「香取の家」