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2階建しか建てられない?...天空率で3階建が可能に

2022年8月15日
天空率の検討_三角狭小敷地の家

「三角狭小敷地の家」の設計 ①


 住宅を設計する際に、お施主様と一緒に様々な検討をします。「三角狭小敷地の家」を題材に、実際にどのような提案をさせて頂いているかをご紹介するシリーズの第1回です。


 「天空率」は2003年の建築基準法改正で登場した考え方で、敷地に建てられる最大の建物の大きさを規定するものです。それまで敷地に建てられる建物の大きさは「斜線制限」によって限定されていましたが、「天空率」を検討して問題が無ければ、「斜線制限」を超えた大きさで建物を建てることも可能になりました。


 天空率は複雑な計算が必要なので、専用のソフトウエアでのみ検討可能で、冒頭の画像は当事務所設計「三角狭小敷地の家」での検討結果です。左上3D図の紫色部分が斜線制限で建設可能な建物の最大ボリュームで、実際に建てた3階部分(緑色)は斜線制限ボリュームからはみだしていますが、天空率の検討により建設可能となっています。


▶ 三角狭小敷地の家


 この家はお施主様が敷地を探す段階から参加させて頂いて、敷地を案内した不動産業者さんからは「2階建てしか建てられない」と説明されました。三角形の狭小敷地ということもあり、確かに斜線制限では2階建てしか建てられませんが、天空率による検討で3階建ても可能であることが判明して、土地の購入の大きな理由となったのです。


 「三角狭小敷地の家」では、天空率の検討以外にも様々な提案をさせて頂きました。次回以降のブログで、個々の提案の内容について順次説明させて頂きたいと思います。